09/01/10 01:20:55 0
― ほかのセーフティーネットが厚いため、生活保護費を増やす必要がないということですね。
神野
そうです。いろいろなネットに引っかかるため、ラストリゾートとしての生活保護が結果として少ない。
ところが、セーフティーネットが少ない日本や米国では、貧しい人が直接、ラストリゾートに落ちてきてしまう。
しかも、その生活保護で国民年金保険料や医療費を払わなければならない。これでは、格差はなくなりませんよね。
セーフティーネットの重要性は福祉に限った話ではありません。
スカンジナビア諸国は1990年代後半に高成長を実現しました。これは、セーフティーネットが経済成長を阻害するものではない
ということを示しています。それに、今後、先進国は従来の重化学工業から自然資源を乱費しない知識集約型産業にシフトしていかなければならない。
この知識集約型産業では人間の能力がすべて。セーフティーネットが幾重にも張られていれば、人々は安心して冒険することができる。
逆に、最低限の安心がなければ、人は何かに挑戦し、知的能力を高めようとはしませんよね。
セーフティーネットを張り巡らせる方が、逆に経済成長すると私は見ています。しかも、そのネットはトランポリンでなければならない。
(中略)
雇用と社会保障の両方とも放棄する日本企業
― お話を聞いていると、最低限の保障ではなく、何重にもセーフティーネットを張り巡らした社会の方が結果として優れている。
そういう社会に日本も変えるべきだと…。
神野 僕はそう思いますね。
続く