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「日米同盟の危機」
安保廃棄でこそ平和が見える
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日米軍事同盟の中核となる日米安保条約が一九六〇年の改定から来年五十年になります。それを前に両国のなかから「日米同盟の危機」を叫ぶ声が広がっています。
それは、在日米軍再編の遅れなどをみての危機感や政治・経済でも役割を果たせという議論にとどまらず、日米軍事同盟の存在意義そのものを問うものにまで広がっています。
麻生太郎首相のように、アメリカの政権が交代しても、「日米同盟を不変の基軸」だというだけでは事はおさまりません。
アメリカ自身の変化
日本政府が「日米同盟のため」だといってやってきたアメリカいいなりの政策は、ここ数年で破綻(はたん)が鮮明になりました。ブッシュ政権のイラク開戦をいち早く支持し、
憲法違反の軍事支援にふみきったものの、イラク戦争は失敗、自衛隊は撤退に追い込まれたことをみても明らかです。
アメリカにいわれるままに「金融自由化」と規制緩和を進めたことが、金融を不安定にし、実体経済を悪化させてきたことは明白です。
とくに注目されるのはアメリカ自身の変化です。ブッシュ政権がイラク戦争で発動した一国覇権主義と先制攻撃戦略が国際的批判の前に失敗したため、
日米同盟強化を進めてきたキャンベル元米国防副次官補でさえ、「米国の世界への関与は軍事に偏り、非軍事分野は重要でなかった」といいだしています。
アメリカの外交政策に影響力を持つ米外交問題評議会のハース会長も、アメリカ一極支配は「終わった」といいます。
日本の政治にも詳しい米外交官出身のケント・カルダー氏も「日米同盟の静かなる危機」と指摘します。
当のアメリカのなかでこうした論議が広がっているのに、日本政府の側が「日米同盟を不変の基軸」などといって、アメリカの政策を擁護し続けるのは異常です。
日米同盟のもとで日本は、アメリカの無法な戦争の足場にされ、国民は沖縄の少女暴行事件などのような米軍犯罪や米軍機の爆音被害で苦しめられているのが実態です。
経済や暮らしの面でも、農産物の輸入を求められるなど、犠牲を押し付けられてきました。
「日米同盟」を金科玉条のようにして、日本国民が痛みをいつまでも我慢させられるいわれはありません。
>>2以降に続く