09/01/05 13:02:13 Sr6C129Q0
イスラエルの目的は再度ガザを占領することなのだろう、という意見が
あるようだが、そうではないだろう。イスラエルが今回軍事侵攻したのは、
あくまでも自国の安全確保であろう。もちろん、選挙がらみという言い方も
あるが、それはそう大きな比重ではあるまい。
イスラエルがガザをどうするかということに対する認識もそうだが、
ガザの住民の気持ちも、日本人にはあまり正確に理解されていないの
ではないか。私にもガザの住民に対する同情心は人一倍あるが、彼らは
今日の状況を自分たちの意思で選択していたことは事実だ。
ガザは狭い土地に150万人を超えるパレスチナ人が住んでおり、
そのうちの多くが難民として現在のイスラエルから逃れてきた人たちだ。
したがって、彼らの生活はほとんど、国連難民救済事務所の支給する
援助物資に依存していたといえよう。ガザにはさしたる産業もなく、経済的
には西岸のパレスチナ人に比べ、相当悪い状態にあった(約半分)。
したがって、イスラエルとパレスチナの関係が今日ほど悪化していない
段階では、ガザの住民の生活費はイスラエルへの日帰りの出稼ぎに
よって得られる賃金だった。しかし、その後イスラエル・パレスチナ関係が
悪化してからは、ガザからの出稼ぎは極めて限られた人たちだけが
認められる状況になっていた。その彼らに対するパレスチナ人の視線は、
時として、イスラエルの内通者という冷たい見方であった。
したがって、ガザの経済状態は日に日に悪化してきていたのだ。
そのことに輪をかけて、ハマースとファタハの、武力衝突がガザで起こり、
ハマースがファタハに勝利しファタハがガザから出た後は、ハマースの
強硬なイスラエルへの対応が度を増して行き、イスラエルは今日の
選択をしたということだ。