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◇医療者、患者交えた幅広い論議を
医師不足が深刻化している。倉敷市立児島市民病院では今春、
院長人事を巡る問題をきっかけに、内科医師が大量退職。
そこから浮かび上がったのは全国的に広がる勤務医の過酷な労働環境、
経営に苦しむ公立地方病院、医師と患者の希望のミスマッチだった。
市は総合診療科の創設や医師の手当て増額など環境改善に乗り出したが、迷走は続く
▲医師の養成数が足りないという指摘もある。7月に発表された経済開発協力機構(OECD)の
「ヘルスデータ2008」では、日本の人口1000人あたり医師数は、2・1人(06年)で、
加盟30カ国(平均3・1人)中、26位。前年のデータでは一般医より専門医の増加傾向が強いことも分かり、
研究機関の少ない地方では、医師確保の難しさに拍車をかけている
▲新医師臨床研修制度への批判も強い。研修医は都会やリゾート地の研修機関を好み、
「地方の医療や医局制度の崩壊を招いた」と説明する専門家もいる。さらに、人気の診療科とそうでない科の
“格差”も生じているという。医師にも働きやすい職場と相応の生活環境は必要だが、
元々「患者の全人的な診療のため多様な診療科の素養を身につける」目的で始まったこの制度が、
医師の偏在化を引き起こしつつあるとすればとても残念だ。医療費抑制政策とあいまって、
このまま医療崩壊が進めば、最終的なしわ寄せは患者に来る。
医療者側と患者側の垣根を取り払った幅広い議論が今こそ必要だ。【山崎明子】
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