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★ペン&ぺん:「捨」 /福岡
今年の世相を表す漢字は「捨」ではないかと思っている。いろいろな人間が、いろい
ろなものを捨てた1年だった。
社保庁の職員は年金記録改ざんで、社会的責任を捨てた。大分県教委のお偉方は、教
員採用と昇任試験不正で先生に対する信頼を捨てた。角界の一部不心得者は大麻疑惑で
力士の品格を捨てた。全国各地で救急搬送を拒否した病院は患者を捨てた。ああ、そう
いえば、首相も政権を捨てた。忘れるところだった。
食品会社は産地偽装で消費者の信用を捨てた。大企業は急激な円高でなりふり構わず
派遣労働者を捨てた。一世を風靡(ふうび)した有名ミュージシャンは、みごとなまで
の転落人生を見せつけてファンを捨てた。東京・秋葉原通り魔の被告は、人間性そのも
のを捨てた。社会に捨てられたと思ったかどうかは知らないが、不満のはけ口が、見ず
知らずの人たちに向けられたのはやるせない。
もっとも、捨ててこそ浮かぶ瀬もある。
パナソニックは、松下電器の社名とナショナルのブランド名を捨て、ワールドカンパ
ニーになることを決意した。柔道の石井慧選手は、金メダルを捨て格闘技の世界に飛び
込んだ。(中略)
誰しも人生の折々で分かれ道に立ち、選択を迫られる。何かを選ぶというのは、何か
を捨てることでもある。捨てることが一概に悪いわけではない。でも、みんな捨てるも
の間違ってない? この1年を振り返り、胸に手を当てて考えてみよう。
■ソース(毎日新聞)(中略部分はソースで)
URLリンク(mainichi.jp)