08/12/26 06:27:09 0
・「派遣切り」の後に送られてきたのは手取り0円の給料明細だった。半導体基板製造工場で
派遣社員として働いていた30代後半の男性。11月上旬に契約打ち切りを言い渡された。
だが、11月分の給料は、寮の清掃費などを差し引かれて1円も振り込まれなかった。
「平気で使い捨てておいて、ここまでするのか」。男性は怒りにふるえている。
「本当にすみません。仕事がなくなりました」
派遣会社幹部が12月で雇用契約を打ち切ると告げた。男性は来年2月まで契約が残っていた。
寮の退去も求められた。知人宅に身を寄せていた今月。派遣会社から給料明細が届いた。
〈総支給額 57120 総控除額 57601 差引支給額 0〉
目を疑った。男性は11月に6日間出勤したが、寮の清掃代として約5万6千円、仕事で使った
作業着代650円が差し引かれ、11月分の手取りがなくなった。
「一方的に首を切ったのに0円の給料明細なんてよく送れたものだ」。会社に電話で抗議すると
「差額の481円はあなたの負担」と、金を振り込むように指示された。
男性は首都圏の大学を卒業し、一度は研究職の正社員になった。だが、自分の研究の
成果が正当に評価されないことが納得できず退社。過去の経歴や仕事の経験を問われない
派遣社員の道を選んだ。
「派遣社員を『モノ扱い』するなと言われるが、それは受け入れている。どれだけ『いいモノ』に
なるかを考えて働いてきた」
仕事は単純作業。同じ職場の若手の正社員よりも年収は高い。特に不満はなかった。
一方で、「いつでも切り捨てられる」という懸念が現実になった。男性と一緒に解雇された
仲間は5人でアパートを1部屋借りて暮らしたり、パチンコで生計を立てたりしている。
駅で眠ったり、ホームレスの食事支援がある公園に行ったりする元派遣社員の姿をテレビで
見て、「みじめだ」と思った。
「派遣社員としてしか生きられない人間を、山ほど生み出してしまった。景気が上向いて、
また派遣社員が大量に必要になったとき、日本は同じ過ちを繰り返すのか」(一部略)
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