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(>>1のつづき)
3カ月~1年の契約期間ごとに電機や自動車の部品工場を転々とした。会社の都合で解雇されても、
別の寮付きの仕事がすぐ見つかった。ただ、待遇は徐々に悪化。トヨタの後、8月から請負で働いていた
自動車部品工場では手取り月10万円だった。
トヨタや三菱自動車の減産で、この3次下請けの工場も人が余ってきた。工場の会議室に
呼ばれたのは10月20日過ぎ。「すみませんが、今月いっぱいでお願いします」。まだ契約期間は
残っていたが、「この状況では仕事はない」。
さっそく次の職場を探したが、寮付きの仕事はもう皆無だった。数日後、追い打ちをかける通告が
あった。「別の人が入るので、31日午後4時までに寮を出ていって」
元夫が訪ねてくるかもしれないので実家には帰れない。所持金は8万円。駅前のベンチで夜を
明かそうとしたが、南国育ちの身に寒さがこたえた。一晩1680円のマンガ喫茶に飛び込んだ。
お金が尽きると、ゲームセンターで閉店まで寒さをしのぎ、その後は広い多目的トイレに毛布を
敷いて夜明けを待った。
◇
ボランティアの助けで区役所に相談に行き、2人は12月から名古屋市の施設に入ることになった。
「やっとお風呂に入れる」。友人は笑みをこぼした。だが、女性は仕事が見つからなければ子どもの
健康保険料も払えない。不安げな表情は変わらない。
輸出増に沸き、人材会社を通じて全国から働き手を吸い寄せた愛知県。雇用者数はこの5年間で
20万人以上膨らんだ。それが今、猛烈な勢いで縮んでいる。
派遣切り、即ホームレス。非正規労働者の解雇は、年末にかけてピークを迎える。(以上)