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ついに1ドル=80円台まで円高が進んだ。ドルの信頼は低下の一途だ。そんな中、
これまでドルを支えてきた新興国から、ドルを否定する動きが出てきた。OPEC(石
油輸出国機構)加盟国がドルを見限って、自前の通貨を作るというのだ。
「ドルが確固たる地位を築いたのは、金と交換することが出来る兌換(だかん)紙幣だ
ったからです。1971年のニクソンショックで兌換制度は崩壊しましたが、その後も
ドルが基軸通貨の地位を維持し続けられたのは、原油がドルで売買されてきたからです。
ところが、ここにきてドルが不安定になり、OPEC各国は原油価格を安定させるた
め、ドルに替わる自前の共通通貨を作るシナリオを真剣に考え始めているのです」(マ
ネーパートナーズ・武市佳史チーフアナリスト)
17日から始まったOPEC総会では、1バレル=40ドル割れ目前という急激な原
油相場の下落を食い止めるため、減産が話し合われた。世界的な景気悪化で需要が減退
していることが大きな要因ではあるが、ドル建て売買が価格下落を加速させているのは
明らかだ。
OPECの現加盟国は13カ国。サウジアラビア、UAE、カタールなど中東諸国を
中心に東南アジアのインドネシアや南米ベネズエラ、アフリカのアルジェリアやナイジ
ェリアまで広がる。
「サウジとカタールの通貨単位はともにリアルですが、新通貨となれば、別の名称を考
えることになるでしょう」(前出の武市佳史氏)
ただでさえ、ユーロ圏の拡大で押されっぱなしのドルなのに、さらにOPECで共通
通貨ができれば、ドルなんて簡単に吹っ飛んでしまう。
それなのに、日本政府はジャブジャブとドルを貯め続けている。11月末の外貨準備
高は1兆ドル(約87兆円)を超え、そのほとんどが米国債だ。新興国までもがドル離
れを検討しているのに、日本政府はドルと心中するつもりなのか。
麻生政権は来年度予算の足りない財源を外貨準備などの埋蔵金で穴埋めする考えだが、
いざという時にカラッポではしゃれにならない。
(日刊ゲンダイ2008年12月18日掲載)
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