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一時、1リットル180円を突破し、師走に入ってからは90円台も出現しているガ
ソリン。急激な乱高下はガソリンスタンド(GS)を直撃し、閉鎖したGSは首都圏
1都4県で4月からの8カ月で約250店に上る。消費者マインドを一気に引き下げ、
竜巻のように去っていった「ガソリン狂想曲」のつめ痕は深い。
過当競争、暫定税率、不況…中小を直撃
東京・葛飾区役所に近い「エネオス本田中原SS」は年内いっぱいで、51年の歴史
に幕を閉じる。
「辞められるだけ幸せ。借金があって辞めるに辞められない店もあると聞きます」。
エネオスの帽子をかぶった2代目社長、長岩純一郎さん(50)は、自分に言い聞かせ
るように話す。
両親と妻の4人で営業してきたが、地下タンクが老朽化が深刻になってきた。建て替
えには7000万円かかる上、80歳の父はいつまで働けるか分からない。従業員を雇
える利益はなく、運転資金が足りない月は父の年金を借りた。
廃業を考えているころ、政争による暫定税率の一時期限切れ騒ぎが起きた。夏場の
ガソリン価格高騰では客が2割も減少、そして未曾有の不況が追い打ちをかけた。
「原油が下がったと思ったら、今度は不景気で車が売れず、売れても高級セダンでな
く軽乗用車。さらに車から電車へ、バイクから自転車へ乗り換えている。時代の波で仕
方がない。50年も店をやれてよかった」
事務所内に、長岩さんの妻が「寅さん」こと俳優の渥美清さんと並んだ記念写真が飾
られていた。すぐそばで映画「男はつらいよ 幸福の青い鳥」のロケがあり、店も屋根
だけ映ったという。
(続く)
■ソース(産経新聞)(徳光一輝)
URLリンク(sankei.jp.msn.com)