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野良猫の世話をする東京都のモデル地域に指定されていたことを、入居前に
説明されなかったのは不当だとして、国立市の都営アパートの男性住民(46)が
都住宅供給公社を相手取り、慰謝料や転居費用など計132万円の損害賠償を
求める訴訟を、東京地裁八王子支部に起こしていたことが分かった。
訴状などによると、男性は昨年7月、1階の部屋に引っ越してきたが、一部の住民が
餌やりをしている二十数匹の猫のふん尿のにおいや夜鳴きに悩まされるようになった。
都営住宅では本来、犬や猫の飼育が禁じられている。しかし、ここは野良猫が
目立つようになった2003年に、都が無料で猫の不妊去勢手術をしたり、
飼育ルールを作るために職員を講師として派遣したりする「地域猫制度」の
モデル地域に指定されていた。1年の指定期間後は、猫が寿命で姿を消すまで、
地元の自治会やボランティア団体などが管理を続けることになっているという。
都内ではこれまでにモデル・対象地域に計30か所が指定されている。
公社側の答弁書によると、都が「捨て猫を誘発する」という理由でモデル地域の
場所を公表していないことなどから、指定を知る立場になく、男性に対して説明する
法的義務はなかった、と主張。これに対し、男性は「都営住宅管理者でありながら
『説明義務はない』は通用しない。猫の嫌いな人、アレルギー体質の人にとっては
生死にかかわる」と訴えている。
都住宅供給公社の話「係争中なので、コメントは差し控えたい」
※地域猫制度…野良猫の数を増やさないため、地域ぐるみで野良猫を1代に限り
飼育する仕組み。不妊去勢手術で繁殖を抑え、自然に数が減るのを待つ。
▽読売新聞
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