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松阪のショッピングセンターで、受水槽に死体が1ヶ月間も入っていた問題について、
施設側は「その1ヶ月間の残留塩素の測定値に異常は無く、保健所が『水質に問題は
無い』と判断した」と コメントしている。
保健所などが、果たしてこのような判断を下すことが あり得るのだろうか?
因みにこの施設は、いわゆるビル管法の特定建築物であり、例えば東京都指導基準で
は「系統ごとに給水栓末端で残留塩素を『毎日』測定すること」と、定められている
建物にあたり、松阪市の場合は、保健所以外にも、松阪農林商工環境事務所が「簡易
専用水道の指導監督」や「特定建築物設置者等の指導」を行っている。
飲用水の汚染事故としては、クリプトスポリジウムやジアルジアなどの原虫によるも
のが知られているが、これらは塩素に対して強い耐性を持っているため、残留塩素で
死滅することは無く、あらかじめ浄水場でろ過処理されてから上水として供給されて
いる。 また、細菌類は塩素によってほぼ殺菌されるようだが、一部塩素に強いウイ
ルスの存在も知られている。 (上記原虫の潜伏期は4~10日程度)
つまり、残留塩素の測定結果によって「水質に問題無し」と判断できるのは、水道局
から送られた上水について、途中で汚染物質の混入などが無く、適切に管理されてい
た場合に限る、といえるだろう。
では、塩素殺菌の効果があるものについては大丈夫だったか?といえば、今回の場合
は、それも「否」だろう。 受水槽に死体などの汚染物質が入っている場合、朝の
給水開始直後などには、日中より汚染が進んでいた可能性があり、少なくとも「常時
安全だった」と宣言するのは難しい。
このように、残留塩素の殺菌効果は万全ではなく、さらに汚染物質によって安定した
水質ではなかったことが想定される状況下で、保健所や環境事務所が短期間に「安全
宣言」を出せるとは到底思えない。
>>2に続く
週刊-建築設備ニュース
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