08/12/12 16:55:13 0
ものがあふれている。1億2000万人のこの国にある、
1億台の携帯電話。都心を埋める高層ビルには、がらんとした空き部屋が目立つ。
そして、インターネット空間をさまよう膨大な情報。「過剰な」現代のほころびが見え始めている。
森本哲郎さんは大正14(1925)年生まれ。昭和の年表は、自身の年齢に重なる。
「大恐慌が昭和4年だから4歳。満州事変が6歳。戦争の時代が続いて、終戦が20歳。
飢えから解放されたのは28歳か29歳だった。高度経済成長、バブル景気とその崩壊もありました」
東京都内の自宅。手元には使い慣れた湯飲み。ほのかに湯気が上がっている。
「今ほど便利な時代はない」。成人式を迎える平成。「コンビニに行けば、
24時間、何でもそろう。本屋に出向かなくたって、パソコンで注文をすれば本を届けてくれる。
友達の家を訪ねなくても、携帯のメールでピピッと連絡をとれば終わりです」
続けて、こう言う。
「今ほど閉塞(へいそく)感に満ちた時代はない。
子どもだったせいもあるが、戦前さえもまだ充実感があった。
現代はものがたくさんあり、情報があふれかえって無力感が生まれている。
便利なのに、決して豊かではない。何でもあるのに何か足りないという飢餓感を、
みんなが持っていると思うのです」
続きます
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