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№740 「10兆円の大盤振る舞い」
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米国のグリーンスパン前FRB議長は「100年に一度の経済危機であり、1929年以来の大恐慌になるかもしれない」と
警鐘を鳴らしています。それに対する麻生政権の目玉政策は、総額2兆円規模の定額給付金というバラマキしかありません。
中小零細企業の資金繰りが大変心配な状況ですが、年末までは先に成立した第一次補正予算で対応できると言い切り、
信用保証の枠を拡大する第二次補正予算案は来年まで提出されません。もはや「景気の麻生」の化けの皮が完全に剥がれたと思います。
「外交の麻生」というキャッチフレーズも虚しく響きます。金融サミットやAPEC首脳会議で政権浮揚を図ろうとしましたが、
首相が頻繁に交代する事態が続いた中で、麻生政権も早くも国内基盤が揺らいでおり、諸外国の日本に対する視線は冷ややかです。
その焦りから、国際社会においてもバラマキ政策で存在感を示そうとしています。その象徴的事例が、為替レートの安定を
確保するために活用される外貨準備から10兆円の資金を国際通貨基金(IMF)に拠出する方針を固めたことです。
IMFの資金規模は全体で約32兆円です。主要国の出資比率は、米国が18%で1位。日本は6.3%で2位。以下、独が約6%。
英仏が約5%と続きます。今回日本が10兆円出せば、一気に28.6%までその比率がはね上がります。金融危機の原因と責任の
大部分を負うべき米国も、世界1位の外貨準備高176兆円を有する中国も、その他の国々も日本に呼応する動きはありません。
なぜ、日本だけ突出して大盤振る舞いしなければならないのでしょうか。
IMFの職員数は約2600人。そのうち日本人は僅か36人。IMFから10兆円が新興国や中小国に緊急支援融資される際に、
日本がその審査や管理に積極的に関与できる可能性はありません。他国の職員が好き勝手に配分することになるでしょう。
国際機関への資金拠出よりも、本当に困っている個別国を直接支援するほうが日本の存在感を高めることになり、
生きたお金の使い方になるのではないでしょうか。
>>2以降に続く
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