08/12/10 10:13:49 0
★理念なき予算編成が進む
来年度の予算編成作業が大詰めを迎えている。
「百年に一度」といわれる金融危機から世界的な景気後退が進む中、予算編成もまったく異例の展開だ。
例年なら、予算編成作業は夏に閣議了解した概算要求基準(シーリング)に沿って粛々と進む。
シーリングは各省予算要求の上限を定めているので、これを超える予算は認められず、内訳の調整になる。
ところが、今夏のシーリングは道路特定財源問題や基礎年金の国庫負担割合引き上げなど
重要課題の扱いを軒並み、先送りしてしまった。加えて金融危機も予見できたはずなのに、
シーリングは対応策を素通りした。その「つけ」が一度に回ってきたのだ。
麻生政権は道路特定財源は「来年度から一般財源化」という前政権の公約を破棄して、
大半を道路財源に残す。先週には突然「三年間で十兆円」という特別枠創設の話まで浮上した。
いまや財政再建プランはなきも同然である。
私は危機に際して財政出動するのに反対ではない。むしろ必要とさえ思う。
だが、ろくに議論もせず政治家がつかみ金のように、公共事業だけに予算を分捕っていくのは許せない。
社会保障をはじめ、ほかに必要な予算はいくらでもある。いま何が必要か。そして将来をどうするのか。
麻生政権は来年度予算について現状認識と対応策の理念を国民にしっかりと示すべきだ。 (長谷川幸洋)
東京新聞 URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)