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「南京大虐殺事件の証言を聞く会」が7日、東区馬出の県教育会館であり、日本兵に強姦(ごうかん)された黄恵珍さん(86)が、
心に傷を負って歩んだ苦難の道のりを語った。現職の航空幕僚長が日本の侵略を真っ向から否定する論文を書くなど、
負の歴史から目をそらす動きへの危機感からか、300人収容の会場がいっぱいになる聴衆が集まり、
黄さんの訥々(とつとつ)とした語りに耳を傾けた。
日本軍が中国の首都、南京を陥落させた1937年12月13日、黄さんは15歳で、両親と兄の4人で暮らしていた。
一家が住むわらぶきの集落にやってきた日本兵は、近所の80代の女性の肩口をいきなり日本刀で切りつけ、
その家の50歳くらいの女性を中に連れ込んだ。しばらくして外に出てきた日本兵は、今度は両親から黄さんを
引きはがすように屋内に引っ張り込み、無言のまま黄さんを押し倒して強姦した。
目前での凶行に母親は恐怖であごが外れ、失禁していたという。
その後、欧米人が南京城内に設定した安全区内に避難したが、ここにも夜中に日本兵が女性をあさりに現れ、
4、5人の女性が連れ去られてそのまま帰ってこなかった。
黄さんは18歳で結婚したが、性体験があると知った夫から毎日のように暴力を振るわれ、「汚い、臭い、死ね」となじられた。
義母も残り物しか食べさせないなどつらく当たった。部屋の中に閉じこめられ、
夫から革の太いベルトで激しく殴りつけられたこともある。それでも日本兵に強姦されたとは言えなかった。
「その時のことを思い出すと、……どうしても涙が出てしまう」と言葉を詰まらせる黄さんに、聴衆からもすすり泣きの声が漏れた。
結局、夫が存命中は強姦された事実を隠し通し、80歳を目前にしてようやく語れるようになったという。
「私の願いは一つだけ。中国と日本の人たちが仲良く争わないでいくこと。平和に人々が過ごしていくことだけを願っています」と、
黄さんは証言を締めくくった。【福岡賢正】
毎日新聞 2008年12月8日 地方版〔福岡都市圏版〕
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