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>>1のつづき
トイレの完成は昨年4月。男子トイレでいじめられ、女子トイレでは変態扱いされる男子を
目撃するたびに胸を痛めてきたシティサック校長が、生徒の意見を取り入れ、
導入に踏み切った。
12~17歳の全校生徒2652人中、約200人もいる「女子化した男子」は、もちろん大喜び。
異性化願望を告白する男子も続出したほどだ。普通の生徒らも
「一緒でないほうが安心して用を足せる」と評価し、トイレ内のもめ事は一気に解消された。
このトイレが今夏、タイ東北部の「公共施設トイレコンテスト」で準優勝した。
リラックス目的で郷土民謡を流す工夫と清潔さが認められたのだが、注目されたのは当然、
「男女半々」。テレビで紹介されると県内外の中・高校から問い合わせが殺到し、
教育関係者の見学が相次いだ。マークの発案者でもあるシティサック校長は、
「このトイレは多様な性を受け入れる革命的なもの。各地につくるべき」と自信たっぷりだ。
だが、注目度に反し、実際に同様のトイレを設置した中・高校は、現段階ではない模様だ。
教育省のスメート・ヤムヌーン事務次官は、「従来通り普通の環境で対応すべき」と否定的だ。
タイのジェンダー研究の第一人者、タマサート大学のチャリダポン・ソンサムパン准教授は、
「女子になりたい男子の存在を本当に尊重するなら、女子トイレの利用を認めてやってほしい」
と主張する。さらに、女装男性や性転換者に「異常」のレッテルをはることで兵役を免除する
軍を例に、「分類化は差別を助長する恐れがある。子供たちの生きる道を狭める可能性もあり、
教育機関の判断としては到底賛成できない」と不安をあらわにした。
だが、「男女半々トイレ」の利用者にとっては、准教授の心配はありがた迷惑にしか
聞こえないようだ。ブーンティップ君は、「差別だなんて……ひどい。社会に容認されたという
感じのほうが強いわ」とヒステリックに反論した。
とはいえ、ブーンティップ君いわく、このトイレは学生時代だけで十分だとか。
「だって20歳で性転換するんだもん。手術後は堂々と女性トイレを使うわよ」