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★地デジ低調、現状で世帯普及率50%超ならず
・テレビの地上デジタル放送(地デジ)の普及ペースが、政府や関連業界の目標を下回っている。
今年9月時点の普及世帯は約2350万世帯で、政府などが目標としていた2600万世帯に
比べ250万世帯少ない。普及対象の全5000万世帯に対しては約47%にとどまる。
景気悪化の影響で年末のテレビ商戦も期待薄となっており、政府や関連業界は普及に向けた
体制や計画の見直しを迫られる可能性がある。
放送局や経済団体などが参加する「地上デジタル推進全国会議」が1日、地デジ専用チューナーや
対応型テレビを持つ世帯数を明らかにした。
総務省が5月に公表した世帯普及率は43・7%だった。8月の北京五輪に向けたテレビ商戦を
バネに、一気に50%超えを見込んでいたが、実際には3ポイント強増えただけだった。
政府などは11年7月にアナログ放送を終了し、地デジに完全移行する計画で、同4月までに
全世帯、約5000万世帯への普及を目標にしている。メーカーなどとも協力し、機能を省いた
簡易型チューナーの低価格化を進めるなどの対策でてこ入れを図る方針だ。
ただ、目標達成には半年で500万世帯を超えるペースで普及世帯を増やす必要がある。
完全移行が遅れれば、放送局はその間、現行のアナログ、地デジの両方式で放送しなければ
ならず、地方局の中にはコスト負担で収益が大幅に悪化するところも出ると予想される。
鳩山総務相は1日、「地上デジタル推進全国会議」が都内で開いた式典で「万が一、(完全移行が)
延期となった場合は、国が責任をとって(地方局の経営を)支援するしかない」と危機感を
あらわにした。
当面のかきいれ時と期待される年末商戦だが、「ここへ来て消費はかなり冷え込んでいる」
(大手家電メーカー)と厳しい見方が多い。普及の遅れを取り戻すことは容易ではなく、
完全移行までの全世帯普及に「黄信号がともった」との声も出ている。
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