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・低俗化が批判されているテレビ局のバラエティー番組について、放送倫理・番組向上機構
(BPO)の放送倫理検証委員会が、各局の倫理的な質を問うため検討を始めた。
きっかけはTBS系「リンカーン」だ。出演者が同じ事務所の後輩女性芸人の胸に繰り返し触る
映像について、視聴者から「セクハラと同時に、パワハラも感じられる」との意見が複数寄せられた。
BPOではこれまでもバラエティー番組の性的表現や過剰な演出が議題に挙がっていたことから、
同委では「いちいち指摘するより全体を通じて放送の質、倫理について一言いうべきレベルに
あるのではないか」(川端和治委員長)との結論に達した。今後はバラエティー番組全体に範囲を
広げ、他局の事例も集めて議論し直すことにした。
BPOの動きに対し、TBSの井上弘社長は「番組内容に批判がある場合、そのつど担当者に届く
仕組みがある。編成の方で注意してやっているはず」と説明した。
一方、局側ではこうした検討を疑問視する声も強い。日本テレビの久保伸太郎社長は「個人の好み、
さらに許容範囲もある」と、視聴者によって不快な範囲が異なると強調。
フジテレビの豊田皓社長も「社会に害毒まで流しているかとなると、どうなのか。どこまで
許されるのかは真剣に考えていかねばならない」と苦慮している様子をにじませた。
またテレビ朝日の君和田正夫社長は「バラエティー番組は必要だ。セクハラはバラエティーとは
別問題」。テレビ東京の島田昌幸社長は「バラエティー番組がお茶の間を良くも悪くも刺激してきた
多面的な評価を、きちっとした上で指摘してほしい」と注文をつけた。
川端委員長は「(バラエティー番組を批判した場合も)当然いろいろな反論が出てくるだろうが、
全部公開することで最終的には視聴者に判断してほしい」と話しており、BPOと各局との綱引きは
まだまだ続きそうだ。(一部略)
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