08/11/30 16:47:55 nsd9KI0k0
DNA型鑑定を日本の法に持ち込む問題点
まずは大雑把に・・・
認知にDNA鑑定を持ち込むと、実質意思主義である日本の認知を根底から覆す
ことになり影響が非常に大きい。
日本の認知は前提として事実主義に基づくものではあるが、実際には意思主義の
側面が強く民法は親子関係の事実を立証することを求めていない(子の救済や
家庭の自治に重きを置いている)ため、遺伝子的には実子ではない子の認知を
容認しているが、DNA鑑定を親子認定に導入(義務化)すれば、このような救済や
家庭の自治は損なわれる。
また仮にこの影響の是非を横に置くとしても、この改正を行うと民法及び補助法
(戸籍法)の根本的な改正が必要となり、同時にDNA鑑定に関する立法や基準の
置き方、倫理基準の制定、審査機関の整備等、現実的に困難な問題が多い。
次に現実的な問題(鑑定結果の問題)
親子間のDNA型鑑定の結果は、父と極めて強く推定~父子関係が存在しないと
極めて強く推定できると多段階の結果が出るが、父権肯定率1%から99%未満は
「判定保留」という結果になる。
父子関係が推定できるのは、父権肯定率99.%以上の結果だけで、後は判定保留
または存在しないと推定できるだけなので、認知という親子関係の創設確認に
直接的に用いるのはまだ技術的な問題と倫理的な問題が排除しきれない。
はっきり言ってこれを議論し出すと、科学的検証を倫理や道徳哲学で論じる
ことになるので結論はまず出ない。
続きます。