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父放火か、住宅全焼し１６歳と１２歳の姉弟？死亡…さいたま
２７日午後１１時半頃、さいたま市岩槻区大谷、タクシー運転手古川久さん（４７）方から出火、木造２階約６０平方メートルを全焼した。
焼け跡から県立春日部女子高１年の長女茉優(まゆ)さん（１６）、市立川通小６年の長男勇希君（１２）とみられる遺体が見つかった。
久さんは煙を吸い込んで意識不明の重体、妻の里美さん（３８）も気道熱傷や腰の骨を折る重傷を負った。
岩槻署の発表では、古川さん方は４人暮らし。捜査関係者によると、久さんは搬送される際、
救急隊員に「自分が火をつけた」と話した。埼玉県警は放火の疑いもあるとみて２８日朝から現場検証をして
出火原因を調べるとともに、久さんの回復を待って詳しく事情を聴く方針。
現場は、東武野田線岩槻駅から南東約４・５キロで、住宅と畑が混在する地域。
近くに住む男性針きゅう師（５３）は、「まゆ、ゆう」と叫ぶ里美さんの声で火事に気づいた。
里美さんは「娘が弟に火事を知らせるために２階へ行ったまま帰ってこない」と話し、「子供、大丈夫だよね」と周囲の人に何度も聞いていた。
しかし、２階には火の手が回って近づけない状態。里美さんは２階から飛び降りたらしくはだしで、
久さんは路上でうずくまっていたという。
近くの住民は、勇希君と久さんが、自宅の前でキャッチボールする姿をよく見かけていたという。
近所の男性会社員（６８）によると、勇希君は登校班６人の班長で、下級生の面倒をよくみていた。
会社員は「大きな声であいさつする元気のいい子だった」と安否を気遣った。茉優さんが卒業した中学の教頭は、
「３年間バドミントン部で頑張った。明るく、優秀だった」と話した。
久さんが勤めるタクシー会社によると、久さんの仕事ぶりはまじめで無断欠勤もなかった。
２７日は午前１時４０分ごろに勤務を終えて帰宅した。上司は「昨年、『今日は子供の誕生日で食事に行く』とうれしそうに話していた。
いい家族だと思っていた」と話した。
（2008年11月28日11時21分 読売新聞）