08/11/22 04:55:57 0
(>>1のつづき)
もし霊が目に見えるのならば、霊そのものが光を発しているか反射しているはず。「たたる」には
記憶や認識といった高度な仕組みを持った有機体でなければならない。霊を信じるかどうかは
個人の自由だが、「科学的な意味では存在し得ない」と断言する。
科学技術が進歩したこの時代に、人はなぜ、「スピリチュアル」にはまるのか。安斎さんは
それこそ、「なぜ」と問う力が弱まっているからだと嘆く。
例えば、携帯電話やDVDの仕組みは、説明されても理解するのが難しい。科学が進歩したが
ゆえに、人は自分の理解の範疇を超えたものをそのまま受け入れてしまいがちで、それが超能力
などを簡単に信じる傾向となって表れていると説明する。
「ささいなことでも、『なぜ』と意識的に問い直してほしい。その背景には必ず理由があるのだから」
さらに、“インチキ”を見破るには、「そんなことができるのなら、どうしてこうしないのか」と考えて
みることが大切だと言う。
スプーン曲げができるのならば、どうして金属加工技術として役立てないのか。そんな能力を
もった人を生産ラインにずらりと並べれば、次々と金属加工が施され、たちまち製品が出来上がる。
簡単に大もうけができる話なら、その勧誘員自体が大金を手にしているはずであり、そもそも
そんなおいしい話を他人に教えるのか。「3週間で英語がペラペラになる教材」といった宣伝文句が
本当なら、なぜ、その販売員はペラペラではないのか…。そう考える心のゆとりが必要だ。
楽して得を取りたいという「欲得」と「思い込み」、それに「非合理的思考」が結合するとき、人は
とめどもなく危うい「だまし」の深みにはまっていく、と安斎さんは警告する。(以上、一部略)