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・平成19年度に全国の小中高校で発生した暴力行為は5万2756件で、前年度より18%増え、
過去最高だったことが20日、文部科学省の「児童生徒の問題行動調査」で分かった。
小学校で37%増加するなど低年齢化が進み、高校では校内暴力があった学校が初めて
半数を超えた。
暴力行為が増加した理由について、文科省は都道府県教委の分析として、児童生徒が自分の
感情をコントロールできない▽規範意識の低下▽コミュニケーション能力の不足-を挙げている。
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体当たりをしてくる、黒板消しを投げつける-。文科省が公表した児童生徒の問題行動調査で、
小学生による暴力行為の深刻さが浮かび上がった。「この20年で子供の質がすっかり
変わってしまった」とベテラン教師は嘆く。
「うるせえ。くそばばあ」。愛知県内の小学校に勤めるベテラン女性教諭は数年前、小5男児の
授業態度を注意した途端、逆に食ってかかられた。「10~20年前はこんなことなかったのに」と
ベテラン教諭は頭を抱える。
手加減なく体当たりする子。気にいらないことがあると机を投げる子。いきなり隣席の子をたたくなど
授業を妨害するケースも少なくない。目を離すと、すぐにけんかになる。「言葉よりも先に手や足が出る。
自分の考えを伝えることが下手になった」
暴力をふるう小学生は上級生になるほど増える。
こうした状況について、河上日本教育大学院大教授は「自由や個人を重んじて子供を一人前扱い
する社会的な風潮が強まり、難しいこと、つらいことに挑戦させる機会も減った。教師と対等だとの
雰囲気が広まり、指導に我慢できず暴力で反抗してしまう。子供同士でも欲望が抑えられずに
すぐ手を出してしまう」と分析。
子供の暴力は歯止めが利かないことが多い。50代の男性教諭は、はさみを持って、教室で暴れる
小3男児を羽交い締めしようとして、振り回されて骨折した。別の女性教諭は、授業中に席を立って
騒ぐ子を抑えようとして足をけられたという。「今の先生は『子供たちが怖い』と不安がっている」と
東京成徳大子ども学部長の深谷昌志教授は指摘する。(抜粋)
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