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・「児童ポルノが日本の20か所から世界に発信されている」。埼玉県警の捜査の端緒は、ブラジル
捜査当局からもたらされた。捜査は半年に及び、5~12日、男3人を児童買春・児童ポルノ禁止法
違反容疑で逮捕した。
ネットに横行する児童ポルノを封じ込めようと、第3回「児童の性的搾取に反対する世界会議」が
25日から、約130か国が参加してブラジルで始まる。ICPOを軸にした捜査が、会議に呼応する
ように、日本など70を超える国で展開中だ。
<自殺未遂を何度も繰り返しました。ネット上に自分の写真がばらまかれてないかと、何かに
とりつかれたように探しました>
性的虐待を幼い頃に受け、写真を撮られたという女子大生から、日本ユニセフ協会に手記が寄せられた。
<あの写真があるかぎり自分は絶対に結婚もできません。児童ポルノが簡単に手に入る世の中では
過去を忘れることはできません。人生は終わってしまったように感じます>
同協会の中井裕真広報室長は「ネットに流出すれば心の傷は一生癒えない。被害者は、誰に自分の
画像を見られているのかと恐怖に苦しみ続ける」と訴える。
県警が押収したファイルに数年前に別の事件で押収した女子高生のわいせつ動画や、10年前に
撮影された女子児童のあられもない映像もあった。
県警幹部は「女児が成人になっても、映像はネットに残り、広まってしまう。ファイル交換ソフトが
拍車を掛けている」と指摘する。
事件で使われたのは、ファイル交換ソフト「イーミュール」。画像などのファイルを共有フォルダーに
保存すると、利用者はデータを共有し、長時間の動画も短時間で受け渡しできる。
埼玉県警は、イーミュールをインストールした捜査パソコンで「サイバーパトロール」を開始。
9~10月、強制捜査に踏み切った。ところが、押収パソコンのほぼ半数は共有フォルダーに
児童ポルノはなく、ファイルは消去されていた。ネット掲示板で「警察がイーミュール利用者を
狙って捜査している」との情報が広まり、捜査は難航する。(>>2-10につづく)
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