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元厚生次官ら連続殺傷事件に対する麻生太郎首相の慎重姿勢が目立っている。同一犯による「テロ」の
可能性があるにもかかわらず、首相の言動からは、卑劣な行為への非難や対テロへの断固たる姿勢が
うかがえない。「政治的目的を持った暴力への感覚が鈍感過ぎる」との批判も出そうだ。
首相は事件を受け十九日午前、記者団のぶら下がり取材に応じたが、テロの可能性があるとの指摘に
「単なる傷害、殺人事件なのか、そうではないのか。それ以上のことは分からない段階でコメントはできない」と
述べるにとどまった。
十八日夜、山口剛彦さん夫妻殺害に続き、吉原健二さんの夫人襲撃の報告を受けた時、首相は公明党の
太田昭宏代表ら政府、与党幹部と公邸で会食中だった。
直ちに漆間巌官房副長官に徹底捜査と警戒強化を指示したものの、出席者によると、首相はこの後、
ホテルのバーに向かおうとして周囲から「今日は犠牲者が出ているので帰った方がいい」と制されたという。
二〇〇七年四月、長崎市長が射殺された際、当時の安倍晋三首相が「真相究明を望む」などとしかコメント
しなかったため、野党から「政治家が撃たれたことへの危機感が感じられない」と批判を浴びた例もある。
ソース
中国新聞 URLリンク(www.chugoku-np.co.jp)