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増加の主な原因は65%を占める窃盗の増加で、その動機では男子が「生活困窮」、女子は
「対象物の所有」「節約」が多い。手口の大半である万引と遺失物等横領も含めた比較的軽微な
財産犯が高齢者の主な犯罪だが、粗暴犯の高齢者比も目立って増加し、殺人(10・6%)が
窃盗(17・5%)、遺失物等横領(13・2%)に次ぐ高さに。
今回の特集では、昨年に続き昭和23年から平成18年9月30日までの有罪確定者が対象の
「100万人犯歴」調査や、19年の東京地検・区検受理事件などをもとにした「特別調査」から
高齢犯罪者の実態を紹介。特別調査によると、高齢に達する以前から犯罪を繰り返し、
受刑歴のある者が3人に1人いる一方、前科や前歴(起訴猶予や微罪処分)がなく
高齢になって初めて犯罪を行った者も4人に1人の割合だった。
犯行の背景として、高齢になって初犯の犯罪者では「頑固・偏狭な態度」「自尊心・プライド」、
犯罪を重ねている者は「経済的不安」「開き直り・甘え」「あきらめ・ホームレス志向」が顕著だった。
白書では、根本的な対策として「生活の安定を確立した上で、社会の中で孤立させることなく
安らぎと生きがいのある生活を提供することが極めて重要」と指摘し、福祉制度の拡充、
就労支援策の検討、地域社会の協力体制などの連携を求めている。(おわり)