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★おかげで助かったニャー 救われた命に注ぐ愛情
・運が強い子猫である。
広島市中区舟入本町の国道2号といえば、ひっきりなしの通行量。信号待ちで連なる車の
下をちょろちょろしていた。「ようひかれんかった」。近くの榎恵子(えのきけいこ)さん(53)が、
引き取った子猫の頭をなでた。
九月下旬の午前八時半すぎ。榎さんは、国道2号に面した喫茶店に行くため、交差点を
渡っていた。
「おや」。横断歩道のそばに止まったワゴン車の下を、ドライバーの男性がのぞき込んでいた。
茶色のしま模様が見えた。榎さんが渡り切って、車道の信号が青に変わっても車は動かない。
「どうもね、車の底に飛びついたみたい」。自宅で猫二匹を飼う榎さん。喫茶店に入ってからも
外の様子が気になって仕方ない。
ドライバーに三人が加勢し、エンジンを止めた車を全員で歩道側に寄せた。パトカーも到着した。
三十分ほどの救出劇だった。
「男性は三十歳代半ばかな。通行量の多い道で危ないのに、助けたのはえらいわよ」。
榎さんは感動した。
救い出された子猫は、警察官の胸に抱かれていた。尋ねると「飼い主がいないから、どこかに
放すしかない」と言う。「今度こそ死んでしまう。せっかく助かったのに」。榎さんは飼い主が
見つかるまで、と連れて帰った。
動物病院に行った。生後約二カ月のメス。ノミが多いほかは、いたって健康だった。
「優しい飼い主を探してあげるね」と語り掛ける榎さんだが、日増しに愛着が深まる。
子猫は今のままでも十分、居心地がよさそうである。
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