【国際】日本のドストエフスキー人気、モスクワ市民の関心よぶ 「壊れた心が救い求める」と亀山氏は分析…ロシアでの公開対談at NEWSPLUS
【国際】日本のドストエフスキー人気、モスクワ市民の関心よぶ 「壊れた心が救い求める」と亀山氏は分析…ロシアでの公開対談 - 暇つぶし2ch137:名無しさん@九周年
08/10/26 13:43:06 95LnaqEB0
「罪と罰」
大衆性と純文学性を兼ね備える。貧乏カワイソー路線から転換し、異常な人間心理への冒険が始まる。
「社会変革の為には殺人も正当化される」という病的な強迫観念から高利貸し老婆を殺し、無垢の売春
婦に出会ってその罪を悔い改める。読みづらいことで有名な作品群の中でも、推理小説的アプローチと
スリリングな展開から、割と軽いタッチで読める。当時ベストセラーになり、反響はロシアを越えヨーロッパ
全土に広がった。同時代のドイツの思想家ニーチェもこれを読んで大興奮。

「白痴」
長編。がさつで殺風景な作品が多い中、芸術性に富んだ作品として名が高い。白痴の青年が人生の
一時期に「正常」に戻る、そのほんの一瞬をフルパワーで「実況」した力作。善良で純真な主人公ムイ
シュキン公爵の言動が人間の暗部を照らし出すが、最後には白痴に戻る。イマジネーションの勝利。

「悪霊」
当時実際に起こった政治結社の内ゲバリンチ殺人事件を戯画化した作品。長々しく読みづらいが、当時
のロシアの陰惨な政治状況が垣間見える。若い頃の無神論への傾倒や政治活動の体験を重ね合わせ、
政治犯の犯罪心理にスポットをあてた。純朴な理想主義が陰惨なテロリズムに「発展」する必然性を検証
する。このテーマはカラマーゾフ兄弟のイワンに受け継がれる。

「作家の日記」
雑誌に連載された政治・社会評論や文芸随筆集、宗教論。政治事件や社会現象に常にライブリーな興味
を持っていたことがうかがえ、また反社会的な人間行動への異様な興味が目を引く。ドストエフスキーの
思想遍歴や創作動機を研究する上で欠かせない資料。

「カラマーゾフの兄弟」
晩年の大作。登場人物が多岐にわたり、長くて読みづらいが、イワンが語って聞かせる「大審問官の物語」
がハイライト。架空の大審問官が、蘇ったキリストに食って掛かる。社会を仕切ってきた数千年のキリスト教
の功罪を検証する。後年よく文学者や評論家に引用された。罪と罰以来の「不条理な実存」に歴史の厚み
が加わり、父親殺し=キリスト殺しのモチーフの下に愛憎劇を絡ませながら壮大な長編に仕上げた。


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