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・鹿児島市と熊本県八代市を結んで04年に開業した九州新幹線で、欠陥のあるパネル材料が
高架橋の建設に使われていたことが関係者の話でわかった。販売元は開業前に欠陥の補修に
あたったが、一部の高架橋は未補修のまま放置されているという。
九州新幹線を建設した鉄道・運輸機構(旧・日本鉄道建設公団)は「製品に欠陥があるという
説明は聞いていない」としており、販売元の株式会社麻生(旧・麻生セメント)から改めて事情を聴く。
欠陥があったのは、麻生が販売した「ASフォーム型」。高架橋の橋脚の上に載る橋げたを
つくる際、コンクリートを流し込む型枠の底面部分の「埋設型枠」として使われている。施工後も
残り、橋げたのコンクリートと一体化しなければならないが、ASフォーム型は接着力が弱く、
コンクリートから剥離してしまう欠陥があったという。
パネルがはがれたまま放置されると、鉄筋コンクリートの劣化を速めるなど耐久性の問題点を
指摘する専門家がいる。
朝日新聞が入手した麻生の社内報告書によると、ASフォーム型は、樹脂などでできた厚さ
1センチの板。同社などが開発し、98年に販売を始めた。下水処理場の池や小学校のプールの
床などに使われたが、はがれて浮き上がってしまったり、外れてしまったりするトラブルが続発した。
社内には「こんなことでは売れない」と出荷停止を求める意見もあったが、00年には九州新幹線
への出荷が始まった。
機構によると、剥離の原因について、同機構の担当者が麻生の担当者に問いただしたことが
あったが、明確な返答はなかったという。
中村監査役は「これから(不具合が)出たとしても、私どもが責任をとってきちっと対応する」
と話している。
麻生は、セメント製造や病院経営など幅広い事業を営み、07年度のグループ総売上高は
1380億円。01年に社名を「麻生セメント」から「麻生」に変更した。麻生太郎首相(68)の
弟・泰氏が社長を務め、妻・千賀子氏が取締役に名を連ねる。
麻生首相も政界に入る79年まで社長を務めていた。(抜粋)
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