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アジア女性基金 呼びかけ人 大沼保昭の反日ナショナリズム批判
大沼保昭 著 『「慰安婦」問題とは何だったのか』 212~214ページ
上野千鶴子氏は、韓国のNGOをアジア女性基金のわたしが批判することは、
最初に殴った側、殴られて怒った側に、怒り方が悪いというのと同じだから許されないと主張した (上野『生き延びるための思想』二二二ページ。)。
こうした考えは、上野氏に限らず、韓国、中国など、かつて日本が侵略し、植民地支配した国とかかわる
「左」や「リベラル」な論者、NGO、メディアの担い手に多かれ少なかれ共通するものだった。
「歴史認識」をめぐる議 論において、こうした日本の知識人やメディアの傾向は、二〇世紀後半を通じて広くうかがわれた。
わたしは、そうした態度は間違いであり、「左」や「リベラル」の学者やメディア、NGOこそ率直に韓国の論者と論争し、
そのことによって日韓のより率直な、より他人行儀でない健全な関係を構築するよう、努力すべきだと思う。
日本人が韓国にかかわる問題を論ずるとき、日本がかつて韓国を植民地支配したという事実を意識せざるを得ない。そこに漠たる贖罪感が生じる。
ある特定の韓国人の主張が間違いであるとわかっていても、それを指摘して反論することに躊躇する。
わたし自身、一九七〇年代はじめに在日韓国・朝鮮人問題を研究しはじめてから一〇年くらいのあいだは、「加害国の一員」という意識が強く、
在日韓国・朝鮮人や韓国の知識人の議論があきらかに誤ったものであっても、なかなか正面から反論することができなかった。
(つづく)