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昨年十二月に死亡した東京都新宿区南町の女性が「(自宅の)土地と建物を区に寄付する」と遺言。
法定相続人の子ども三人から寄付の申し出を受けた新宿区が「今も居住する長女(78)の生活基盤が失われる」として、
権利を放棄する決定をしていたことが分かった。
自治体が遺言に基づく寄付を放棄するのは極めて異例。
女性宅の木造二階建て家屋は築四十年以上だが、土地(約二百九十二平方メートル)は
相続税や贈与税の算出基準となる路線価で約二億三千万円相当。実勢価格では三億円を超えるとみられる。
女性の遺産は本来なら法定相続人の長女ら三人に受け継がれるはずだったが、死後に遺言書が見つかり事態は一変した。
遺言書には一九八六(昭和六十一)年の日付や署名、押印があったが、自宅を寄付する理由は一切書かれていないため、
女性がどんな思いで遺言を記したかは不明だ。
長女ら三人は、家庭裁判所で遺言書の存在を確認する「検認」手続きを行った上で今年二月下旬、
区に土地建物の寄付を申し出た。
同区南町は、JR市ケ谷駅や都営大江戸線牛込神楽坂駅に近いが、にぎやかな通りから奥に入った閑静な住宅街。
区はすでに地方自治法に基づき権利を放棄する議案を区議会に提出。
六日に委員会採択があり、十日の本会議で可決される見通しだ。
しかし、区議会の中には「遺言に託した故人の遺志を尊重すべきだ」との意見もあり、議論を呼びそうだ。
区議会総務区民委員会の山田敏行区議は「財産の提供を受けてから無償で貸し出すなど、
長女の生活基盤を守る手段はほかにもある」と区の判断に疑問を投げ掛けている。
長女以外の相続人二人は「区が寄付を放棄したなら自分たちも相続を放棄し、長女に土地と家屋は全部あげる」と
誓約しているという。
ソース:東京新聞
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