08/10/04 14:08:23 0
「蟹工船」ブームで共産党に熱視線が送られているという。40歳で
党書記局長に就任、「共産党のプリンス」と言われ、論客としても名高い
前議長の不破哲三さん(78)はどうみているのか。東京・代々木の
党本部を訪ねた。
「今の若い人たちが蟹工船を読んで、実感をもって受け止めるというのは、
日本の社会のとんでもない一面を表していると思うんですよ」
グレーのスーツに身を包み、さっそうと応接室に現れた不破さんは、
滑らかに話し始めた。
「私も若いころに読みましたよ。戦後すぐですから、食べ物がなくて、
生活は恐らく蟹工船のころより大変だったんじゃないかな。それでも民主主義
のもと、選挙権や女性の権利、労働者の権利などが確立されて、戦争中の
暗い時代から抜け出して、意気を持っていた。蟹工船を読んでも昔は
ひどかったなあという感想でしたよ。それから60年以上たった日本で、
若者たちに、自分たちのことと受け止められているというのは、日本が
とんでもないところに落ち込んでいるということです。まさに『この国はどこへ
行こうとしているのか』ですよ」
日本のこのおかしさを感じたきっかけは毎日新聞の記事だった。「90年ごろかな。
メキシコ特派員の記事で、確か見出しは『豊かな日本、なぜこんなに貧しいのか』。
日本の特集をしたテレビ番組を現地の記者仲間と見ていたら、最初は豊かな日本を
うらやましがっていた現地記者が、通勤ラッシュや狭い日本の家などが出てくるに
つれ『人間の生活じゃない』と言い出し、評判がガタ落ちしたという話でした。
当時のメキシコは決して経済水準は高くなかった。そのメキシコから見ても、
日本の暮らしぶりは人間のものではないと言われる。これではいけないと強く感じ
ました」(>>2以降に続く)
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