08/10/03 16:10:29 0
「蟹工船」ブームで共産党に熱視線が送られているという。40歳で党書記局長に就任、
「共産党のプリンス」と言われ、論客としても名高い前議長の不破哲三さん(78)はどうみているのか。
東京・代々木の党本部を訪ねた。
「今の若い人たちが蟹工船を読んで、実感をもって受け止めるというのは、
日本の社会のとんでもない一面を表していると思うんですよ」
グレーのスーツに身を包み、さっそうと応接室に現れた不破さんは、滑らかに話し始めた。
「私も若いころに読みましたよ。戦後すぐですから、食べ物がなくて、
生活は恐らく蟹工船のころより大変だったんじゃないかな。それでも民主主義のもと、
選挙権や女性の権利、労働者の権利などが確立されて、
戦争中の暗い時代から抜け出して、意気を持っていた。
蟹工船を読んでも昔はひどかったなあという感想でしたよ。
それから60年以上たった日本で、若者たちに、
自分たちのことと受け止められているというのは、
日本がとんでもないところに落ち込んでいるということです。
まさに『この国はどこへ行こうとしているのか』ですよ」
日本のこのおかしさを感じたきっかけは毎日新聞の記事だった。
「90年ごろかな。メキシコ特派員の記事で、確か見出しは
『豊かな日本、なぜこんなに貧しいのか』。
日本の特集をしたテレビ番組を現地の記者仲間と見ていたら、
最初は豊かな日本をうらやましがっていた現地記者が、
通勤ラッシュや狭い日本の家などが出てくるにつれ
『人間の生活じゃない』と言い出し、評判がガタ落ちしたという話でした。
当時のメキシコは決して経済水準は高くなかった。
そのメキシコから見ても、日本の暮らしぶりは人間のものではないと言われる。
これではいけないと強く感じました」
(だいぶ続きます)
URLリンク(mainichi.jp)