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ここ数年、秋の日本海沿岸に大量漂着していたエチゼンクラゲが、今シーズンは確認されて
いないことが分かった。東シナ海での発生数が例年に比べて極めて少ないためといい、定置
網漁の作業の遅れや魚介類の品質劣化など深刻な被害に悩まされてきた京都府北部の
漁業関係者は「通常の操業ができている。この状況が続いてほしい」と期待している。
エチゼンクラゲは東シナ海などで生まれるとされ、海流に乗り日本海を北上する。最大で傘
(さん)径2メートル、重さ200キロに達する。定置網漁などへの影響は深刻で、網に入ると
除去に手間がかかり、魚や網を傷めてしまう。
京都府内ではここ5年ほど、主に9月から11月にかけて大量に現れた。府立海洋センター
(宮津市)が府北部の一部海域で行った調査によると、2005-07年の9月下旬に定置網に
入ったエチゼンクラゲは1日当たり3000-1000匹だったが、今シーズンの確認情報は
1件もない。社団法人・漁業情報サービスセンター(東京都)も「日本の周辺海域では未確認」
という。
昨年、駆除網を導入した湊漁協(京丹後市久美浜町)定置部の和田達典漁労長は「クラゲの
影響で漁獲高が3分の一に落ち、漁を休止したこともある。今は通常操業ができ、ほっとしている」
と話す。
三津漁業生産組合(同市網野町)は、昨年から油脂関連会社などと連携し、エチゼンクラゲの
ぬめり成分の活用を計画。澤博行組合長は「昨年は駆除のため20回ほど出港した。いないに
越したことはないが、いつまた現れるか分からないので活用の準備も進めたい」と気を引き締める。
エチゼンクラゲの生態を研究する上真一・広島大教授(生物海洋学)は「何らかの原因でうまく
繁殖できなかったのでは。今年は日本海に大量漂着することは考えられないが、生態は不明な
点が多く、来年以降は予測できない」としている。
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