08/10/02 08:43:36 ThnSQQEy0
産経 「残念ながら小沢代表のあの「所信表明」では、「首相の任にあらず」といわれても仕方がない」
歌舞伎の世界では、よく「ニンに合う」といった言い方をする。演劇評論家の渡辺保さんによれば、「大きくは、
その人がその役柄にふさわしい芸風をもち、顔、姿、かたちに、その役らしい味わいを持つかどうか」ということだ(『歌舞伎のことば』)。
▼たとえば、由良助のニン、弁慶のニンとは、生まれつきの要素が大きいものの、長い間の修行によってつくり上げるものでもある。
誰もが由良助や弁慶をつとめたがる最近の風潮は、「歌舞伎の破滅以外のなにものでもない」と渡辺さんは手厳しい。
▼自民党にいくら逆風が吹き荒れても、世論調査で、「次期首相は?」という項目では、民主党の小沢一郎代表は、
麻生太郎首相の後塵(こうじん)を拝してしまう。「首相のニンに合わない」と感じる有権者が多いせいだろうか。きのうの
衆院本会議は、そんな小沢代表が、首相にふさわしい「味わい」をアピールする絶好の機会だった。
▼きっかけを作ったのは、麻生首相だ。自らの「信じる所」を述べる機会であるはずの所信表明演説で、民主党に
対する「逆質問」という奇策に出た。受けて立った小沢代表は、首相への代表質問の場で、今度は「所信表明」をやってのけた。
▼国会という舞台での特別興行で、2人の看板役者が役柄を交換したようなものだ。ただし、歌舞伎役者と違って、
首相に何より求められるのは、政権を担当する能力にほかならない。
▼残念ながら、小沢代表の「所信表明」には、「日米同盟と国連中心主義とはなんら矛盾するものではない」というだけで、
インド洋での自衛隊の給油活動への言及はなかった。肝心の安全保障政策があいまいなままでは、ニンはニンでも、
「首相の任にあらず」といわれても仕方がない。
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