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今から約20年前、梅雨明け宣言が出ないまま9月になった冷夏の年、日本の米は不作で、
必要量が供給できない見通しとなり、急遽、外国産米を輸入することとなった。
ところが、輸入された外国産米は、日本の米飯に用いられる短粒種(ジャポニカ米)では
なく、別の種類の長粒種(インディカ米)であった。長粒種は、パエリアやタイカレーな
どの料理に適合し、けして不味い米ではない。東南アジアの現地料理には、むしろ長粒種
の方が旨いと思うが、醤油や味噌で煮た煮魚などの日本のおかずには合わない種類の米で
ある。長粒種ではオニギリはつくれない。要するに、米であっても別種類、料理によって
合う合わないがあるものなのだ。ところが当時の食糧庁は、輸入した長粒種を短粒種に混
ぜて販売することを強制した。
その結果、アジア飯メニューにも和食メニューにも全然合わない、世にも珍妙なる混合米
しか消費者は購入できない状態となった。大人は我慢すれば口に入ったが、2歳に子供に
は、この長粒種混合米は無理だった。子供は食べれなかったのだ。仕方ないので篩にかけ
て一粒一粒を分別し、大人はピラフ、子供は白米というメニューでどうにかやり過ごした。
この事実からわかることは、農水省の官僚は消費者のことなど何も考えていないというこ
とだ。短粒種と長粒種のセット抱き合わせ販売ではなく混合販売を強制したのは、消費者
の調理選択の自由を否定するものである。また米国などから短粒種ジャポニカ米を輸入せ
ずに、タイから長粒種を輸入したのは、緊急輸入の必要がなくなった後もこれをきっかけ
に米国からの米購入要求圧力が高まることを警戒したのだろう。当時「米は日本の文化・
一粒たりとも輸入させない」と言っていた米の保護、鎖国を維持したいがためであろう。
消費者には別の種類の米を押し付けてまで鎖国政策を強行したのだ。消費者など無視した
農政である。農林省の消費者無視の態度は、今度は、三笠フーズの中国産毒入もち米事件
となって噴出している。