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規制緩和で台数が増え、客の取り合いとなっているタクシー業界の現状に、
県内の運転手から「収入は減る一方。生活がままならない」と悲鳴が上がって
いる。一般産業と比べて年収が二百―二百五十万円低いという業界。広く採用
される「累進歩合給」は、運賃を稼ぐほど給料が上がる仕組みで、運転手は、
少しでも多くの客を乗せようと、長時間労働を強いられる。一日に十六時間
働いても月収が八万円しかないという運転手は「人間らしい生活」を求めて
裁判所に訴えを起こした。
県内では、多くのタクシー会社が累進歩合給を採用する。客を乗せ、
運賃を稼ぐほど給料が上がるシステムだ。約二百四十事業所が加盟する
県タクシー協会によると、タクシーは出車すると勤務状況が管理しづらく、
実績が重視される同制度が広く採用されているという。深夜料金は運賃が
上がるため、少しでも給料を良くしようと、必然的に日をまたぐ長時間労働
となる。
◆毎年収入2、3割減
同協会によると、二〇〇二年二月の国の規制緩和以降、新規参入や台数を
増やす会社が相次ぎ、今年六月現在の県内のタクシー台数は、緩和前と
比べて五百台増の約六千五百台。その半面、一日に客を乗せる回数は、
一台あたり十八回で、前年から一回減った。一日一台あたりの運賃収入も、
約二万八千八百円と約六百円下がり、運転手の平均年収も約三百万円にとどまる。
収入が少ないため、運転手になる若者が少なく、県内の運転手の平均年齢は
五十九歳。ここ数年は、一年に一歳上がっているという。
市原市の運転手男性(49)は「規制緩和で台数が増えて、客が回ってこない。
月収は十五万円の時もある」とこぼし、千葉市緑区の運転手男性(61)は
「毎年収入が二、三割減っている。不景気で客も乗り渋っている。休みは
いらないから毎日仕事がしたい」と硬い表情。(>>2以降に続く)
▽千葉日報ウェブ
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