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農業用水に利用されている周南市鹿野上の「潮音洞」が6月、環境省の
「平成の名水百選」に選ばれた後、その水を飲用に利用する人が相次いでいる。
近くの川から引き入れ、地元の人は飲まない水。「名水百選」の意味を勘違い
したとみられ、市は「飲用に適するのか保証できない」として、急きょ看板を設置し、
飲まないよう呼び掛けている。
潮音洞は約350年前、農業用水などの確保を目的に、近くを流れる渋川の水を
引き入れるために作られた施設。現在も建設当時のまま使われ、約90メートルの
トンネルを通って漢陽寺の裏手の洞穴から流れ出した水は、庭園、水路を経て周
辺地域に行き渡っている。
同市鹿野総合支所によると、名水百選に選ばれた後、「潮音洞の水は飲めるのか」との
問い合わせが急増。観光客の中には、ペットボトルに入れて持ち帰る姿も見られるように
なった。だが、地元の住民らは、その流水が「川の水」と知っており、昔から飲用には
使っていないという。
市は8月、潮音洞の手前の寺の格子戸に「飲用ではありません」などと書いた
プラスチック製看板(縦90センチ、横50センチ)を設置した。飲んですぐに健康被害が
出る可能性は低いとみているが、豪雨後や上流の工事で水が濁った場合などは、
飲用に適するか保証できないとし、今後も注意喚起をする方針。「わき水の印象が強い
名水百選に選ばれたことで、観光客には飲用できると誤解されている」と困惑気味だ。
「平成の名水百選」は、7月の洞爺湖サミットに合わせた同省の企画。都道府県から
推薦のあった162か所について水質や周辺環境などを審査し、湧水、河川のほか、
潮音洞のような用水も名水に選ばれた。その際、同省は「(名水選定が)飲用に適する
ことを保証するものではないので、飲用の場合は、所在する自治体に確認してほしい」と
していた。
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