08/09/08 12:43:52 0
・茶の間のテレビにパチンコのCMが流れると、急におびえてチャンネルを変えたり消したりする。
全国で急増している「ギャンブル依存症(強迫的賭博)」の人たちだ。病気なのに、社会の理解が
進んでいないために不幸が重なる。
ギャンブル依存の回復をめざす自助グループ、GA(ギャンブラーズ・アノニマス)に3年前から通う
男性(54)は「生きていられてよかった」と、この30年を振り返る。
車の販売やホテルのフロント係など職を転々とした。23歳で結婚して2児をもうけたが、6年後に離婚。
「家庭を満足に持てなかったダメな男」という罪悪感や寂しさを酒で紛らわせ、飲み代を稼ぐためパチンコに
のめり込んだ。
500円の元手で6万円勝ったことがある。当たれば「オレがやれば必ず勝てるんだ」と万能感がみなぎる。
球のぎっしり詰まった箱を店内に積み上げると、優越感が頭の中を支配し、現実を忘れさせてくれた。
給料を使い果たしても、消費者金融が簡単に貸してくれた。家族に内緒でトイチ(利息が10日で1割)の
ヤミ金融にも手を出した。返済に追われるようになるのに時間はかからなかった。「だまされて保証人に
なった」「給料袋を落とした」と、次々にうそをついては家族に尻ぬぐいをしてもらった。会社の金にも手を
出した。一発逆転を狙い、返済の一部をパチンコにつぎ込んでは、また借金を増やした。
05年、息子に借金を申し込んでぶん殴られた。家族会議は修羅場となったが、「周囲がなぜ怒って
いるのかすらわからなかった」。疲れ果て、感情さえもすり切れていた。
ヤミ金の取り立てから逃れようと、死に場所を探して車上生活を4カ月間続けた。家族に助け出されて
入院。借金は自己破産して整理した。つぎ込んだ給料や借金の総額は7千万円を超えていた。
(>>2-10につづく)
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