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[ワシントン発9月6日=デービッド・ハルスタム]ボーイング社の次世代省エネ広胴型機で新たな
生産遅延が避けられない情勢となってきた。同社最強の労組『IAM』(28,000人)が9月6日、
午前零時からストに突入、B787型機など民間旅客機の生産ラインが停止に追い込まれた。
好業績が従業員の待遇改善に反映されていないと組合側は強硬で、経営陣もライバル、エアバスと
の激戦を乗り切るため安易な妥協には応じそうにない。ストが長引けば既に3度、生産遅延を余儀なく
されたB787型機の初飛行開始、航空会社への機体引き渡しに影響が出るのは必至だ。ボーイングの
株価はジェット燃料高騰による航空会社の深刻な経営環境等も手伝って、100ドル台をつけたピーク時
から大幅下落している。今回のスト突入で更なるマイナス材料となろう。ボーイング社と、『IAM』は第3者
を仲介に賃上げ交渉決裂後も48時間、最後の事態収拾を模索してきた。しかし『双方が妥協するには
隔たりが大』(スコット・カーソン民間好機部門社長兼CEO)で『IAM』は9月6日、午前零時1分から組合員に
ストと突入を指示した。同労組のストは2005年4週間のスト以来、3年振り。『IAM』に加盟する従業員は
ワシントン州、オレゴン州、カンサス州に広がったおり民間航空機の最終組み立てラインが有るエバレット、
レントンの両主力工場ではスト突入後、機体生産はストップした。組合側は年金の支給額増額等過去の
好業績が従業の懐に還元されていないと会社側の最終提案を突っぱねたという。スト権投票でも80%以上
が賛成に回り強硬。
（>>2以降に続きます）