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★工業用の米、食用と偽り転売 農薬・カビ含有
・農水省は5日、米販売会社・三笠フーズ(大阪市)が工業用に限った用途で仕入れた「事故米」を
食用と偽って転売していたと発表した。事故米からは、中国製冷凍ギョーザによる中毒事件でも
問題になった有機リン系の農薬成分・メタミドホスや、発がん性が指摘されているカビ毒の
アフラトキシンB1が検出されている。同社の工場がある福岡県は、食品衛生法に基づき
回収命令を出した。
事故米は菓子や焼酎の原料として加工されたとみられるが、農水省は、アフラトキシンについて
「三笠フーズが発生したカビの塊を抜き出して米粒を洗浄するなどして出荷しており、健康被害の
心配はない」、メタミドホスについても残留基準(0.01ppm)の5倍程度であり「すぐには健康被害の
おそれはない」とみている。
メタミドホスが検出されたもち米は、ウルグアイ・ラウンド合意に基づき03年度に政府が中国から
輸入した。その後、導入された残留農薬を厳しく規制する「ポジティブリスト制度」に従ってサンプル
検査したところ、基準値を超える量が検出された。
このため、政府は主に合板を作る時などに使う「工業用ののりに使い、食用には流通させない」との
条件で、06年度と07年度に入札を実施。いずれも三笠フーズが落札し、計800トンを仕入れた。
しかし、同社は、食料用と偽って仲介業者などに販売していた。未出荷分を除く295トンが米菓子や
和菓子メーカーなどで加工された可能性があるという。
また、三笠フーズは、アフラトキシンが検出され事故米となったベトナム、米国、中国産の米計
約9トンも仕入れていた。このうち、鹿児島、熊本両県の焼酎会社3社に計3トン弱、福岡県の
肥料会社には390キロが売られていた。
三笠フーズは03年度以降、政府の事故米を毎年仕入れており、農水省は、ほかにも食用と偽って
流通させた疑いがあるとみている。三笠フーズは帳簿類を改ざんしており、農水省は会社関係者から
詳しく事情を聴き、流通経路の解明を進めている。(抜粋)
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