08/09/03 09:57:44 0
軽い虚脱感で9月を迎えた。理由は分かっている。五輪が終わったからだ。
特段スポーツが好きなわけではない。学生時代にラグビーをかじったがそれっきり。
周囲がサッカーのW杯で騒ごうと、野球のペナントレースがどうなろうと、どこ吹く風だった。
しかし五輪だけは例外だ。時間が許せばテレビにかじりつき、
結果に一喜一憂してしまう。何が違うのかと問われれば、それは一体感。言い換えれば「ナショナリズム」の魔力に取り付かれてしまうのだ。
普段はなるべく、ナショナルなものから距離を置こうと努めている。
ジャーナリズムという職業上の要請でもあるし、
戦争体験者への取材を通じて培った信条でもある。
ただ五輪期間中は抗しきれなくなる。
心の奥底に沈めていた何かが首をもたげ、「がんばれニッポン」を叫んでしまう。
熱狂と一体感に身を委ねるのは心地いい。
それを4年に1度の「ガス抜き」と考えるか。
もっと警戒すべきなのか。難問だ。【川崎桂吾】
毎日新聞 2008年9月2日 地方版
URLリンク(mainichi.jp)