08/08/31 11:25:58 0
(>>1の続き)
そして、本来参考資料である都道府県別平均点が「ランキング」と意識され、教育委員会が一喜一憂
するのはおかしい。情報は公開されるべきだが、それで無用な競争意識や圧迫感を現場に与える
なら、過熱した60年代までの全国学力テストと同じ轍(てつ)を踏む。
今回の調査でも、平均点の高い所では家庭学習や規則正しい生活習慣、少人数学級など指導の
工夫と成績の相関が見られるという。自明のことだ。また、地域によっては、経済的格差など、学校や
学習指導を超えた社会要因も影を落としているとみられる。これもさまざまな調査や研究、事例でとう
に指摘されていることだ。問題は、ではどうやって状況を改善していくかだが、それがなかなか見い
だせない。
その苦悩は学校教育現場が最も深く抱えている。孤立している教師も少なくない。全国学力テストが
このままの形で巨費を投じて毎年行われ、その度に「当たり前の結果」を確認し合うより、ただちに
課題を抱えた現場を支援する方にもっと力を転じるべきではないか。
学力調査が無用といっているのではない。既に多数の調査・研究があり、合理的なやり方もある。
連続悉皆調査はこの2回で十分ではないか。この調査で改めて確認した学習環境状況を踏まえ、
しっかりした政策と支援策を打ち出すことに切り替えるべきだ。
(終わり)