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混乱と喧騒(けんそう)の北京五輪が終わった。せっかちな僕は、4年後のロンドンを飛び越え、
2016年のことを考えている。
東京五輪招致は国民的な盛り上がりに欠けている。6月の1次選考で東京は最も高い総合評価を
得たものの、国際オリンピック委員会(IOC)の世論調査では市民の支持率は59%にとどまった。
東京は「世界一コンパクトな大会」「先端技術を駆使した大会」「環境を最優先した大会」などを
掲げている。でもこれだけでは物足りない。
世界に向け、未来に向け、日本的なもの、伝統的な価値観や美意識を発信できないだろうか。ものの
あわれ、わび・さび、無常、滅びの美、慎み、節度、敗者への礼節。世界の共通語になりつつある
「MOTTAINAI」を加えてもいい。これらは五輪全体を覆う勝利至上主義や商業主義へのアンチ
テーゼであり、大会の肥大化になかなか歯止めをかけられないIOCへのメッセージとなる。
近代五輪の標語「より速く、より高く、より強く」は、一部のアスリートをドーピングなどの不正行為に
追いやった側面がある。東京五輪招致ではフェアプレーの精神に通じる「より美しく」を加えてアピール
するのも一案だ。
北京五輪の遺産について、IOCのロゲ会長は言った。「五輪を通じて中国は世界の目にさらされた。
中国は世界を知り、世界は中国を知った」。東京五輪は、日本とは何か、日本人とは何か、という
根源的な問いかけを一人一人に突き付けるだろう。
16年大会の開催地は来年10月のIOC総会で決まる。
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