08/08/28 17:56:24 b02ZMFZx0
>>575
おそらく急にPaCO2(動脈血中二酸化炭素分圧)があがったので、急激に呼吸中枢が刺激され、
炭酸ガスナルコーシス(呼吸性アシドーシス+呼吸中枢の過抑制による自発呼吸減弱)が起こったものと思われる。
ただし、これは他の中毒性物質によるノックダウンや組織中毒性低酸素血症とは一線を画し、
一応法医学的には中毒学(toxicology)ではなくて機械的窒息(mechanical asphyxia by hypercapnia)に分類される。
ただ、CO2吸入による機械的窒息だった場合は、当然事件性はあるため検死は必要。
二酸化炭素は単純拡散だから、短時間だから高CO2血症を起こさないとは言えないし、PaCO2>80Torrだと一発死する。
実際どの程度の濃度のCO2を吸引することになったかの究明は必要。
低濃度の場合でも、1人目の末期大腸がん患者は多分死との相関性は低いけれども、
2人目の患者さんがCOPDや喘息などの肺疾患や脳梗塞などの脳血管障害などによって肺胞低換気をきたしている場合では、
十分なFIO2が確保できなかったために症状が増悪したということもありえる。
したがって、いくら時間が短くても、患者さんの死亡との因果関係が無いとは現時点で言い切れない。
「警察の捜査を待たずに患者の死亡に影響したとは考えていない」と発表した病院は率直に言って悪い対応。
まずは発表は謝罪のみにとどめ、捜査が進展したうえで誠意を尽くして示談交渉に入ればいいのにねぇ。