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★意外? 「操」に込められた相手への侮辱
千葉県に「我孫子」という町がありますね。でも、日本のことをあまり知らない中国人が「我孫子」を
見たら、おそらく大変びっくりすると思います。なぜならばそれが人を罵る言葉だからです。
もともと、中国語で「我孫子」といえば「私の孫」という意味です。ですからもちろん、中国人が自分
の孫を「我孫子」と言う時は侮辱する意味にはなりません。しかし、同性で(異性はまた別)、自分
の孫でもない人のことを「我孫子」と呼んだ途端、これが相手を罵ることになるのです。
実際、特に中国の古い習慣が残る地方では、相手を罵る時に「我孫子」がよく使われます。これが
おそらく儒教と関係があるのではないかと思います。儒教はお年寄りを大切にするイメージがあり
ますが、その裏に若者が未熟で愚かという考えがペアになっています。孫は子供の子供ですから
未熟のそのまた未熟な人間ということになりますね。つまり、血のつながりの無い人を「我孫子」と
呼ぶことは、相手を「未熟さの極まり」といっているようなものです。
実際にこうした言葉が使われる状況を感覚的に理解していない日本人にはピントこないかもしれ
ませんが、とにかく中国人は「我孫子」といわれると、酷い侮辱に感じるのです。
実は日本語というのは、人を罵る言葉が非常に少ない言葉です。たとえば中国語には、英語の
侮辱語「ファック」と同じ意味、同じ使われ方をする漢字があります。皆さんもよくご存知の「操」と
いう字です。
もちろん中国語でも、日本語と同じように「体操」や「操作」などの表現に「操」の字を普通に使って
いますが、俗語の中で1文字の「操」(ツアウ)を使うと、間違いなく「ファック」という意味になって
しまいます。この「操」の後ろに目的語の「おまえ」とかを付ければ、英語の「ファック・ユー」と全く
同じ使い方になります。 (>>2-5に続く)
ソース:「週間ポスト」8月29日号 宋文洲『時字放談』より