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お盆の中日にもかかわらず、東京地裁前には傍聴券の抽選を待つ人たちが
朝から列をなしていた。裁判ウオッチャーの若者もいる。
今月14日、建造物侵入罪に問われた元小学校教諭、渡辺敏郎(としお)被告(35)の初公判があった。
事故死した子の写真や男児の裸をサイトに掲載し、著作権法違反などで有罪判決を受けたのが昨年7月。
それから1年もたたずに運動会を開く小学校を探して入り、
児童を撮影していた。偶然にも保護者の中に元同僚がいて、
被告の存在に気づいた。
検察側は被告が児童の元気な姿を見ることで性的嗜好(しこう)を満たしてきたと指摘。
被告は「学校が関係者以外立ち入り禁止と知らなかった」と無罪を主張しつつも
「撮影に後ろめたさはあったが、気持ちを制御できなかった」と、
消え入りそうな声で言った。
傍聴していて非常に気になったことがある。
04年の奈良県・小1女児誘拐殺害事件を教訓に、
法務省は2年前、主な矯正施設に性犯罪の再犯防止プログラムを導入した。
最長8カ月の訓練を受け、自己制御を身につける。被告は保護観察所でこれを受講した上に、
精神科のカウンセリングにも通ったという。
さいたま地裁川越支部で開かれたわいせつ目的誘拐事件の初公判でも首をかしげた。
被告の男は男児への性犯罪で4度服役し、昨年末の出所後4カ月でまた同様の事件を起こした。
プログラム対象者のはずなのに、男は受講しなかったと述べている。
性犯罪の防止策は機能しているのか。どれだけ有効なのか。再犯事件を検証し、
課題を明らかにしてほしい。(生活報道センター)
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