08/08/14 22:40:18 vIuoFPw40
古来、日本国の伝統的文化において、匿名の落書きは卑怯とされている?
楠が勢是に利を得て、三方より勝時を作て追懸くる。
橋近く成ければ、朝比奈・高橋是を見て、
「敵は大勢にては無りけるぞ、此にて不返合大河後ろに在て悪かりぬべし。返せや兵共。」
と、
馬の足を立直し/\下知しけれども、
大勢の引立たる事なれば、一返も不返、
只我先にと橋の危をも不云、
馳集りける間、人馬共に被推落て、
水に溺るゝ者不知数、
或淵瀬をも不知渡し懸て死ぬる者も有り、
或は岸より馬を馳倒て其侭被討者も有。
只馬・物具を脱捨て、
逃延んとする者は有れ共、
返合せて戦はんとする者は無りけり。
而れば五千余騎の兵共、
残少なに被打成て這々京へぞ上りける。
其翌日に黒幕が仕たりけん、
六条河原に高札を立て一首の歌をぞ書たりける。
渡邉の 水いか許 早ければ 高橋落て 浅雛流る
京童の僻なれば、
此落書を歌に作て歌ひ、
或は語伝て笑ひける間、
朝比奈・高橋面目を失ひ、且は出仕を逗め、虚病してぞ居たりける。