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厚生労働省の調べによると、うつ病、躁うつ病の患者総数は99年の44万1千人に対し
05年は2倍の92万4千人に増加。製薬会社ファイザーが12歳以上の一般生活者4,000人を対象に、
07年2月7日から07年2月16日にかけて行ったインターネット調査では、「一般生活者の12%、
約8人に1人がうつ病・うつ状態の可能性」があるという結果が出ている。
■昔から別の病名として扱われていた?
こうした状況を、一体どう考えたら良いのか。「うつ病の真実」「専門医が教えるうつ病」などの
著書がある防衛医科大学校病院副院長で、「日本うつ病学会」理事長の野村総一郎さんに聞いた。
それによると、うつ病は症状や病気になる過程によって「メランコリー型うつ病」「双極性障害」
「気分変調症」「非定型うつ病」の大きく4つに分類され、「新型」と呼ばれているのが
「気分変調症」「非定型うつ病」に当たるのだという。そして、実はこうなんだそうだ。
「新型と呼ばれているようですが、それは、うつ病という診断はしてこなかっただけで、
昔から別の病名として扱われていたんです。患者数は増えてはいますが、
実態としてはここ数年で急に増えた、ということでもないんです」
うつ病と診断する基準は各国まちまちで、現在は米国精神医学会の診断マニュアル
「DSM」を参考にするのが世界の趨勢なのだという。各国の医療関係者がこれを
参考にし始めたのは、80年に画期的な変貌を遂げた第三版から。94年改定の
第四版もほぼ同じ内容になっている。日本では「DSM」を参考にする医師は少なく、
「新型」と呼ばれる症状については、パーソナリティー障害、
抑うつ神経症などと診断していたのだそうだ。
それが数年前からようやく日本でも「DSM」を参考にする医師が増え、
患者に伝わることによって、いきなり「新型」が大流行しているかのような
錯覚をする人が増えたのではないか、と、野村さんは見ている。さらに、
「DSM」は2011年に改定され第五版が出るが、「新型」と呼ばれているものが、
うつ病として分類されるかのかもわからないのだという。(終わり)