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文藝春秋「諸君」2008年9月号P262~267
佐々木俊尚 ネット論壇時評より一部引用
URLリンク(www.bunshun.co.jp)
毎日新聞低俗記事配信で抗議殺到 顔の見えない敵ネット・ゲリラに新聞は為す術もない
2001年にニューヨークの世界貿易センタービルを崩壊させたテロリスト集団、アルカイーダは頭部の存在しない
アメーバのような組織である。もともとは首謀者のオサマ・ビンラディンが豊富な資金力にものを言わせてこの組織を立ち上げ、
90年代後半にアフガニスタンを制圧していたタリバン勢力に庇護されることによって、同国内で訓練を行う軍事力として成長した。
だが、同時多発テロを引き起こして以降、米軍の攻撃を受けて組織体としてのアルカイーダは崩壊している。
しかし、アルカイーダは、今もしぶとく生き残っている。ビンラディンをリーダーとするピラミッド型の組織は存在していないが、
組織は細かく分裂し、それら分裂した小さな組織と小さな組織が、インターネットや携帯電話でコミュニケーションを
取り合うことによって有機的にテロ活動を行うようになった。
戦前戦後の一時期、日本共産党は末端組織を「細胞」と呼んだ。1951年に開かれた4全協(第4回全国協議会)で採択された党規約草案には、
次のように記されている。
「党の基本組織は細胞である。細胞は党員3名以上によって組織され、その指導部をもつ。全党員は原則として、いずれかの細胞に所属する」
アルカイーダはこの共産党細胞と似たような構造を持っているが、本質的な差異がひとつある。共産党細胞が中央委員会という頭脳の命令を受けて、
一糸乱れず従う身体の1部分となっていたのに対し、アルカイーダはひとつひとつの組織が独立して活動を行っている。
ある種のアメーバのような単細胞生命体になっており、いくつかの組織を破壊しても、残りの組織は何ごともなかったように生き続ける。
(中略)
>>2-10辺りに続く
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