08/08/05 09:01:02 7JinLhJw0
自衛隊指揮官
著者:瀧野隆浩、出版社:講談社α文庫
この本は防衛大学校出身の新聞記者が書いたものです。毎日新聞社会部編集委員という肩書ですが、国家の安全はどう守るのかとオビに書かれています。
この本を読んであっと驚いたのは、地下鉄サリン事件が起きた1995年3月20日よりも3日前の3月17日に、陸上自衛隊の化学隊がサリン防衛に動き出していたという事実がさらりと書かれているということです。
しかも、なんと戦闘用防護衣まで用意されていたというのです。
オウム教団がサリンをつかってテロ攻撃することを3日前に自衛隊はつかんでいて、すでに400着の防護衣まで用意されていました。著者はそのことを何ら問題とすることなく、現場の自衛隊指揮官がいかに勇気があったかをほめたたえています。
私にはとてもついていけません。事前に情報をつかんでいたのなら、地下鉄に乗りあわせていた一般市民が被害にあわないようにすべきだったのではないのでしょうか・・・。
現場の第一線にいる指揮官が生命をかけていることは私も認めます。
しかし、そんなことを言うのなら、私たちの日常生活を守るために生命をかけている人はほかにもたくさんいるのではないでしょうか。たとえば、電柱にのぼって配線工事をしている人、トンネル工事などに従事している人など・・・。
なにも、人を殺す武器をもっている自衛隊だけが生命をかけて国民(とその日常生活)を守っているのではありません。